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ホームページの「お客様の声」、気まずくない集め方と載せ方

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ホームページの「お客様の声」、気まずくない集め方と載せ方

お客様の声をホームページに載せたほうがいいことは、もう分かっている。
それなのに、集め方を調べているうちに手が止まってしまう。

方法を知らないからではありません。
「何と言って頼めばいいのか」が分からないからです。
押し売りに見えないだろうか。断られたら気まずくならないだろうか。

ここで数字をひとつだけ。
消費者庁の調査で、商品を選ぶときについて聞いた設問では、
「信頼する著名人やインフルエンサーが勧めた商品であれば信用できる」に当てはまるとした人は15.3%、
当てはまらないとした人は49.8%でした
(出典: 消費者庁「令和5年度消費者意識基本調査」結果概要)。

有名人の推薦より、実際に使った普通のお客様の一言のほうが届くことがある。
この記事は頼む前・頼むとき・載せるときの順に進み、最後にそのままページへ足せる一文をお渡しします。

お客様の声の集め方は、頼む前の「決めごと」から始まります

依頼文が書けないのは、言葉のセンスの問題ではないと思っています。
どこに載せるか。どう名前を出すか。何を聞くか。
この3つが決まっていないから、書けないだけです。

名前の出し方は載せるときの話なので、ここでは残りの2つを片づけます。

どこに載せるかを、先に決めておく

専用ページを作るのか、トップページに2〜3件だけ並べるのか、サービスページの下に添えるのか。
どれでも構いません。

ただ、決まっていないと「どこに載ります」と説明できない。
説明のないまま頼まれた側は、どれくらいの分量で何を書けばいいのか見当がつきません。
だから場所が先、という順番になります。

聞くことは、3つで足ります

よく使われる型として、次の3点に分けて聞く方法があります。

  • 頼む前に困っていたこと
  • ほかではなくここを選んだ決め手
  • 使ってみて変わったこと

「ご感想をお聞かせください」とだけ聞くと、「ありがとうございました」で終わりがちです。
聞き方を分けるだけで、返ってくる中身は変わります。

設問は5問前後、所要時間は3分ほど。
この分量に収めておくと、次の依頼文でそのまま伝えられます。

頼むときの文面に入れておきたい、5つの要素

感想の依頼文をノートに下書きしている手元

文例をなぞる必要はありません。次の5つが入っていれば十分に伝わります。

  1. お礼と、なぜ声を聞きたいのか
  2. 所要時間と設問数(例:3分・5問)
  3. どこに、どう載るか(ページ名/実名かイニシャルか/写真の有無)
  4. 断ってよい・匿名でよいと明記する
  5. 分からないことがあったときの問い合わせ先

1・2・5は、アンケート依頼の定石として多くの解説が共通して挙げているものです。
一般に、目的と負担の大きさが先に分かると、相手は引き受けやすくなります。

この記事が足したいのは3と4。
依頼文の見本にはあまり入っていませんが、相手が判断するために要るのはこの2つだと思っています。

3があれば、相手は「その場所に自分の名前が出ていいか」を考えられる。
4があれば、断る余地が最初から用意されます。

そして4は、こちら側にも効きます。
断られる前提で頼むと、頼む側の気まずさも減る。
「お願い」より「お知らせ」に近い温度で送れるようになります。

Googleのクチコミを頼むときは、ルールが違います

自社サイトに載せる声と、Googleのクチコミは依頼のルールが別物です。

Googleビジネスプロフィールでは、クチコミの投稿や変更、否定的なクチコミの削除と引き換えに、
無料または割引価格で商品やサービスを提供することが禁止されています
(出典: Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー/虚偽のエンゲージメント)。
「書いてくれたら次回10%off」は、よかれと思ってやってしまいやすい形ですが、ここに当たります。

推奨されているのは、専用リンクやQRコードで投稿を促すこと。
そして、肯定的な内容にも否定的な内容にも返信することです
(出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ/クチコミを増やすためのヒント)。

「ありがとうございました」しか返ってこないときは

お礼だけの声は判断材料にならず、説得力が出にくいという指摘もあります。
対処は聞き方を戻すこと。先ほどの3点に分けて、もう一度短く聞き直してみてください。

開業したてで、声が1件もない場合もあると思います。
無理に数をそろえなくて大丈夫です。
具体的な1件のほうが、あいまいな5件より伝わります。

ホームページに実名で載せるか、イニシャルにするか

表記の候補を3枚並べて選び分けている手元

すでに声が手元にある方は、ここから読んでいただいて大丈夫です。

決まったルールがあるわけではありませんが、3つに分けると迷いにくくなります。

表記向く場面添えると効くもの
実名+屋号・団体名相手にも事業を知ってほしい場合。双方に利がある相手のサイトへのリンク(同意が前提)
姓のみ/イニシャル+属性個人のお客様。最も使われる落としどころ「30代・女性・〇〇市」などの属性
完全匿名(属性のみ)通院や相談など、利用自体を知られたくない分野利用時期・利用内容

大事なのは、匿名でも具体性は落とさなくていいということ。
落ちるのは名前であって、中身ではありません。

「A様」だけだと弱く感じるのは、匿名だからではない。
属性も、いつ何に使ったのかも書いていないからです。

写真は、なくても成立します

顔写真があると信頼感が増すと言われます。
ただ、写真を出せる人にしか頼めない形にすると、集まる声のほうが偏ります。

顔写真がなくても、使っているものの写真、お店の風景、施術やレッスンの様子で代わりになります。

氏名や顔写真は個人情報にあたります。
どのページに、どの表記で、写真ありなしまで示したうえで同意をいただく。
法律の話としてではなく、後から揉めないための実務として丁寧にしておくと安心です。

「勝手に載せて大丈夫?」に、線引きから答えます

自社サイトへの掲載は、ステマ規制の対象ではありません

消費者庁の運用基準には、事業者自身のウェブサイトにおける表示は、
事業者の表示であることが明らかであるため告示の対象にならない、と明記されています
(出典: 消費者庁「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準
/令和5年3月28日消費者庁長官決定、令和5年10月1日施行)。

同じ基準には、事業者の表示であることが明瞭または社会通念上明らかなものは告示の対象ではなく、
告示はそうしたものについての自由な広告・宣伝活動を阻害するものではない、とも書かれています。

つまり、自社のホームページに「お客様の声」のページを作ること自体は、ステマ規制の問題ではありません。

ただし、事業者が第三者に依頼して、その人のSNSや口コミサイトに投稿させる場合は、
「事業者の表示」に当たるとされています(同基準)。
自分のサイトに載せることと、よそに投稿してもらうことは扱いが違います。

業種によっては、そもそも載せられません

医療機関の場合、医療法と同施行規則により、
患者その他の者の主観または伝聞に基づく、治療等の内容や効果に関する体験談の広告が禁止されています。
医療広告ガイドラインには、医療機関が自らのウェブサイト等に掲載する治療内容・効果の体験談は
広告に該当し、そのうえで禁止される、と明記されています
(出典: 厚生労働省「医療広告ガイドライン」)。
治療前後の写真も、誤認させるおそれがあるものは同じ扱いです。

鍼灸院や整骨院などの施術所は、ウェブサイトが原則として広告とは見なされません。
ただし、ウェブサイトの適切なあり方については別の指針が示されています
(出典: 厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」概要/令和7年2月18日)。

自分の業種に広告のルールがあるかどうかは、載せると決める前に一度調べておくと安心です。

この一文を添えておけば、隠していることはなくなります

ページの下書きの余白に一行を書き足している手元

「自社サイトは対象外」と書きましたが、ひとつだけ例外があります。

同じ運用基準では、事業者自身のウェブサイトであっても、
第三者の客観的な意見のように見せながら、実際には事業者が依頼・指示して特定の内容を書かせた場合は、
事業者の表示であることを明瞭に表示しなければならない、とされています。

その表示例として基準に挙げられている文言が、これです。

弊社から○○先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。

(出典: 同運用基準)

ここに、この記事でいちばんお伝えしたい答えがあります。

編集してはいけない、とは書かれていません。
編集した旨を書けばよい、と書かれています。

「話し言葉のままで読みにくい。でも直したら嘘になる気がする」という迷いには、
直してよい、直したと書けばよい、と答えられます。
読みやすく整えること自体は問題になりません。
書いていないことを足す、意味を変える。それは別の話です。

実際のページには、たとえばこう置いておけば足ります。

アンケートにご協力いただいた内容を、ご本人の確認のうえ掲載しています。

お客様の声のページの冒頭か末尾に、この一行を添えるだけ。
こちらからお願いして書いていただいた場合でも、読む人に隠していることはなくなります。

なお、レビュー投稿の謝礼にクーポンなどを渡した場合でも、
投稿内容について一切やり取りをしていなければ事業者の表示にはならない、とされています(同基準)。
Googleのクチコミについては、先に書いたとおり別のルールがあります。

気まずさは、先に決めておくことで減らせます

頼む前に、載せる場所と聞く3点を決める。
頼むときに、どこにどう載るかと、断ってよいことを書く。
載せるときに、表記を選び、一文を添える。

お客様の声の集め方でつまずくのは、言葉が足りないからではありません。
自分でもどこにどう載るか決めないまま頼もうとするから、気まずくなる。
決めてしまえば、依頼は事務連絡に近い温度で送れます。

「載せていいですか」ではなく「どう表記しましょうか」と先に相談する。
その姿勢のほうが、お客様との関係を長く守ってくれるように思います。

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